第108章 古なじみ

二人は同じテーブルを挟み、向かい合って座っていた。

南坂海乃は自分の分の茶を注ぎ、ゆっくりと口を開く。

「黒谷楓花が午後、こっそり私のところに来たの。佐藤詩乃に傷つけられたって言うから確認したら……太ももに、たしかに掴まれた痕があった」

黒谷優の目がぱっと明るくなる。海乃が「責め」に来たのだと思ったのだ。

娘のことに口を出してくれるなら、少なくとも――まだ、完全に見捨てられたわけじゃない。

黒谷優は慌てて説明する。

「帰るとき、俺はこの目で見た。楓花が相手を突き飛ばして――」

「それ、聞きたくない」

南坂海乃は、彼の言葉を途中で遮った。

「ただ伝えたいだけ。私に面倒を持ち込...

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